稲村亭

稲村亭(とうそんてい)とは、明治時代に串本町有田にある稲村崎(いなむらさき)に流れ着いた大木1本で家具、建具が作られた部屋がある家です。

大木が流れ着く20年ほど前、天保の飢饉があり、地域の人々が食糧難で苦しんでいました。そのとき、神田家から有田の人々に無償で米を提供したそうです。しばらくして、流木が流れ着き、その大きな流木を見つけた村人が飢饉の時の恩返しとして、神田家に贈ったそうです。その大木は幹周り5メートルほどもあったので、二間と建具等をつくれたということでした。大木が稲村崎の海岸に流れ着いたことから、稲村亭と名前づけられたそうです。

感想:無償で米を分ける優しさと、20年以上も恩を覚えていることに感動しました。